霧 ヶ 峰 (岐阜) 926m(63座目)

平成9年12月6日(土)晴

目印テープが途絶え雪が解け踏跡も消え


  • 参考としたガイド・・・・・

    名古屋から行く
    隠れた名山 64
    松井志津子編

  • マイカ−アクセス・・・・・

    関ヶ原インター=国道365号線
    =時山=薮谷林道終点


 
           1度目の登山
登山道を間違えた!

約1ヶ月前の11月2日…
悪路を車で乗り入れ林道の終点に着く。登山口に
案内標識はない。何の疑いもなく正面に見える
コンクリートの堰堤方面の道を進み河原に出てから谷沿いを上る。
この道が正しいルートなのか不安もあったが目印もあるし、後から到着した男性二人もついてきているので間違いないだろう。だが…
上るにつれて踏跡は次第に怪しくなりガイドで紹介
されているワサビ田になかなか辿り着かない。
「おかしなぁ…?」
と思いながらも上り続けたが、そのうち壁のような土手に突き当たってしまった。しかも、後ろにいたはずの一組も知らぬ間にいなくなった。上り始めて
1時間以上経っていたが目印も途切れて立ち往生・・
ガックリし狐に包まれたような思いで引き返してきた。
川原まで戻ってから念のためガイド本を開いて地図をよ〜く見ると…
あれっ!?
 

 


雪の谷を上る

 

2度目の挑戦…

登山ルートは堰堤の手前を東北方面にのびていたのだ。
駐車しておいた林道まで下り少し戻ると小さな沢が
ありそこに目印テープあったのだ。
「あちゃー」
ここが霧ヶ峰登山口だった。あとから判った事だが
間違えて上った谷は薮谷峠へ出る難所のルートだった。
上る前に落ち着いて地図をよく確認すべきだった。
…ガックリと肩を落としその日はすごすごと帰宅した。

その1ヶ月後、山は薄っすらと雪化粧していた。
予想外の雪に戸惑ったが幸い先行者の足跡が登山口
からクッキリとついている。足跡を辿りながら谷沿いの
道をしばらく上ると単独登山者が下りてきた。
(えらく早い下山だなぁ)挨拶を交わしただけだが
なんで早かったのか、なんの疑問も起きなかった。



            
テープも踏み跡途絶えた…

踏み跡が?

やがて右の山の斜面に目印を見つけたので谷を離れる。
雑木林を上ると目印はなくなったが雪斜面には点々と
踏み跡がついている。初めての山が雪山で不安だったが、踏み跡さえあれば迷わず山頂に着けるはずだ。
「雪山も悪くないな、ラッキ〜」

ところが・・・雑木林の中で足跡がぷっつり途絶えた。
立ち止まった所にぽつんと赤テープの巻かれた木はある
もののこの先はまっさらな雪で歩いた気配がない。
「エッ?エエーーーーッ!」
「足跡の主は一体何処に?」、、しばし呆然( ̄_ ̄;
谷から離れる時、目安にしたワサビ田に出なかったので
少し気にはなっていたがやっぱり不安的中。コースを外れて
しまったようだ。足跡がなければこの先に進めない。
しかし前回登頂に失敗しているし、ここで引き返すのは
何とも情けない。樹林帯の右の方角にば尾根が見える。

「とりあえずあそこまで上ってみるか…」
 
ここからは自分で目印布をこまめに枝につけながら
尾根に向かう。

      
            不安だらけの尾根歩き

尾根に出てから新雪を踏みしめ上り始めた。だが、、
山地図やコンパスも持たず尾根を辿った所で山頂に着ける
保障はないのだ。今どこを歩いてるかさえも判らない。
(こんなの無茶苦茶や。もう引き返した方がいい。)
そんな不穏な胸の内を察するのか、振り返って愛犬ナナを
見ると不安そうな目で見つめ返してくる。
一方妻といえば・・・
不安な気持ちを感じとる様子もなく、ルンルンと鼻歌混じり
なので引き返すきっかけが掴めない。
モヤモヤした気分で赤布つけながら雪尾根をたどるとやがて
開けた雑木の平場に出た。
こうなるとどっちに進むかまるで見当もつかない。
万事休す・・・ 

      
             無事山頂に
山頂

だが、山の神は当てもなくうろうろと歩き回る。
「もうやめようって。動き回って迷ったらあかんで」
この辺なら休むのにいい場所だし弁当でもを食べよう、
と、すっかり登頂をあきらめかけた時、
「ねぇ目印見つけたよ!」と前の方で山の神が呼ぶ。
「エッ?」と思いながらもその声に一分の望みを託し
 足早に駆け寄ると、目印らしきテープを発見!右手に
のびる尾根の先の木の枝にもテープがついている。
これを辿れば山頂に着くのか、それとも何処か別のルートに迷い込んでしまうのか、半信半疑で真っ新な雪尾根
をしばらく進むと・・・「ソノド」と札がかかった 
あっけなくたどり着いてしまった。
「よかったぁ〜」
木々に囲まれ展望は望めないが、ここまで息がつまる
気持ちで歩いていたので極楽に着いたような気分だ。
雪の上にシートを敷きゆっくりランチタイム・・・
 

雪がない・・

運良く頂上に到達できた。登山ルートからは外れ
上ったが下山に支障はない。自分達でこまめに
つけた目印を回収し、後は雪の踏み跡を辿れば
谷まで下りられるはず、なんの不安もない。
平場まで戻ってからは赤布を回収しながら尾根
を下り、途中から右の雑木林に下り元の赤テープ
が巻かれた木の地点へ順調に戻れた。
ところが、その先を見ると上る時真っ白だった
雪斜面が解けはじめ、土が露出しまだら模様に
変わっていた。あてにしていた足跡はグシャグシャ
雪で眼を凝らしても見分けがつかない。

まさかこんなに早く雪が解けるとは、、
「どうしよう・・・」
2年前、高賀山で道を外れ立ち往生した光景が
脳裏に浮かぶ。まっすぐ下りてみたが状況は
変わらず、また元の場所に急いで上り返す。
気が動転して、陽を受け明るい雑木林も恐怖の
風景に一変した。
下山できなくなったら、山で遭難だ」
 


             
           足跡が消えた〜

   
   赤い目印を見つける


谷から斜面へ上った時、目印が途切れた時点で
自分で目印を付けるべきだった。と悔やんでも
遅い。うかつにミスを犯し、山から強烈なしっぺ
返しを食らってしまった。誰の救いの手もなく
静寂な林の中で茫然自失、、(
)、
おぼろげな記憶を呼び起こす。ここまで踏み跡を辿る途中やや右下から上ってきたような気がしたので今度はそちらの方へ下ってみる。
恐る恐る・・・藁にもすがるような気持ちで。
どんどん下るにつれ緊張で胸が締め付けられる
思いだ。もし、違う沢にでも下りてしまったら、
山中をさ迷ったあげく日が落ちてしまったら。
切羽詰った状況に追い込まれた時の山の静寂は
不気味さを増し、悪い事ばかりが頭の中を駆け
巡る。どれくらいの下ったのか・・・?
がれきの下の方に赤い布がチラリと見えた。そこを
めがけ更に下ると見覚えのある谷が見えてきた。

その瞬間、頭の中にいた悪夢がすっと消え身体
の力がふ〜っと抜けた。
「あぁよかった、戻れて」
 

  

 

 

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